2015.01.12更新

新年の診療が始まって1週間が過ぎました。年末年始のお休みでなまった身体の調子も戻ってきた頃でしょうか。

今回は、ちょっと嬉しかったことについて書きます。

年末に入れ歯の調整をした年配の患者様が、今年になって初めての来院をされました。
「痛くなかったよ。お餅もお節もちゃんと噛めた。」
とおっしゃいました。
「今までは、そ〜っと噛んでみてからじゃないと怖かったんだけど、不安がなくなった!いきなり噛んでも大丈夫になった!」
と満面の笑みで。実は、ここに至るまでに結構何回か調整を繰り返していました。

入れ歯というものは、出来上がってきて入れて、はい、おしまい、という訳にはいきません。実際に入れてみて、噛み合わせを調整したり、裏の面が均等に当たっているかを見たり、と細々とした作業が必要になります。何回か調整に来ていただく中で、まだ調子が今ひとつなのに遠慮されて大丈夫とおっしゃる方もいらっしゃいます。お口の中のことは患者様が1番良くおわかりですから、私達歯科医師はお話を伺って、それを参考に調整を行ないます。ですから、少しでも「?」と感じたら、ご遠慮なさらずにどんどんおっしゃっていただきたいのです。何回でも、何十回でも調整を行ないますので。痛いのを我慢して使ったり、ガタガタ動くようでは、せっかく入れ歯を作った意味がありません。

この患者様には、辛抱強くお付き合いいただき、不安な要素をひとつずつなくしていき、お正月には晴れて何でも食べられるよう、なんとか間に合ったかな?と思って送り出した感があったので、さて、どうだったかな…と思っていました。ですから、
「先生、ありがとうね!」
とおっしゃる患者様の輝くような笑顔を拝見した時には、まさに感無量という感じでした。

少し憂鬱そうな表情で来院された患者様が、笑顔になって帰っていかれる、そんな瞬間を見たくてこの仕事をしていると言っても過言ではないのです。

投稿者: しのやま歯科医院

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