2014.12.05更新

寒さが一段と厳しくなってきました。風邪やインフルエンザもそろそろ流行り出してきているみたいですね。

風邪をこじらせて肺炎になる…とはよく聞きますが、肺炎を軽く考えてはいけません。高齢者の死因の第3位は、なんと肺炎なんです。最近では肺炎のワクチンのCMをよくTVで見るようになりましたね。

お口の中の状態と肺炎が関係あると言ったら、皆さんはビックリなさるでしょうか?歯周病の人とそうでない人では、特に高齢者では肺炎にかかるリスクが全く違うのです。

飲み者や食べ物を飲み込む動作を嚥下(えんげ)といい、食道を通って胃に運ばれます。その時、食べ物や飲み物は食道へ、空気は気管へと分けられますが、食道と気管は隣り合わせの為、誤って気管の方に物が入ることがあります。これを誤嚥(ごえん)といいます。通常は、咳をしたり、むせたり、という吐き出そうとする動作によって気管から出そうとします。たとえ少量入ってしまったとしても、体力や抵抗力、免疫力等により、細菌を駆除できるのでさほど問題はありません。

しかし、高齢になったり脳の病気等により嚥下機能が低下すると、うまく飲み込めなかったり、誤嚥した時に吐き出す力が鈍くなり、気管への誤嚥がしやすくなります。このとき、口の中の細菌も一緒に気管や肺に入ってしまい、体力や抵抗力、免疫力の低下により肺炎にかかりやすくなります。これを誤嚥性肺炎といいます。

誤嚥性肺炎にかかりにくくする為に自分でできる事がいくつかあります。

①歯磨きやうがいをこまめにして、口の中の細菌を減らし、いつも清潔に保つ。
②入れ歯は洗浄液等でこまめに洗浄して、清潔に保つ。
③手指に付いた細菌が口に入らないように、食事や間食の前には良く手を洗う。

そして、食事の時にも工夫できるいくつかのポイントがあります。

【1】食べ物は良く噛んで、ゆっくり食べるようにする。
【2】食べ物を細かく刻んだり、とろみをつけて、飲み込みやすくする。
【3】TVを観ながら等の「ながら食べ」をすると、集中力に欠け、誤嚥しやすくなるので、食事の時は食事に集中できるようにする。
【4】長時間横になっていると、口の中のものが気管に入りやすくなる為、寝たきりの状態を避け、上体だけでも起こした姿勢を保つ。特に食後2時間は胃液の逆流がしやすいのでそれを防ぐ為、横にならずに上体を起こした姿勢を保つようにする。
【5】もし異物が気管に入ったら、うつぶせにして背中を叩く等して、できるだけ早く外に出す。

口の中をきれいにしたり、これらのポイントに気を付けることで、肺炎のリスクをかなり下げられるようです。

歯磨きは、虫歯予防の為だけではないんですね!

投稿者: しのやま歯科医院

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